マナケミア〜学園の錬金術士たち〜

隠しダンジョンまでクリア。
放置や寝落ちしている時間もあったけれど、プレイ時間は47時間ほど。
図鑑コンプは無為な周回プレイを強いられるので放置の方向で。
1プレイが短いザールブルグ的なアトリエならともかく、クリアするまで40時間かかるようなゲームで周回はね。
引き継ぎ要素もあるけれど、それはそれで無双になってつまらないので、放置安定。
フリーズしたのは1回ほど。
アトリエにしてはまともな方かしら。


操作性

各種ロード時間は普通。
長くもなく短くもなく。
ただ、学園内を移動する際、「部屋Aから出る→(ロード)→全体マップから移動場所を選択→(ロード)→部屋Bに移動」という手順が必要になるのだが、別に「部屋Aから出ようとすると場所移動選択ウインドウが出る→ウインドウから選択して部屋Bに移動」でもよかったと思う。
というかそっちの方が良かったと思う。
別に全体マップに特別なギミックがあるわけでもないんだし。


錬金釜(アイテム類の錬金)とアタノール炉(装備類の錬金)が設置している場所が違う。
それぞれ独立した要素なら目を瞑ることができただろうが、装備類の錬金にはアイテムが必要になることがあり、アイテム類の錬金にも装備類が必要になることがあるので、結果として部屋を行ったり来たりすることになる。
そんな遠くもないとはいえ、実質ロード時間が2、30秒あるのとさして変わらない。
2ではアタノール炉は廃止されて錬金釜で装備類も作れるようになったみたいなので、やはり批判が多かったんでしょうな。


装備画面で各種装備品の特殊効果がわからない。
単純なステータスの上下なら分かるのだが、「取得ゴールドが増えるよ」等といったものはサッパリ。
アイテム一覧からは確認できるのに、装備する時に分からなきゃ意味が無いっつーの。


シナリオとか

各キャラのイベントの進め具合によって多少エンディングは変化するのだが、基本一本道。
キャラエンドといっても、ラスボス戦の展開とスタッフロール後の1分前後のエピローグが変化するだけなので、冷やかし程度。
序〜中盤辺りは終始おちゃらけたノリで正直どうでもよかったのだが、終盤に一転してシリアスな展開(伏線はあったので超展開ではない)になった後は、割と話に引き込まれるように。
いきなり重くなる話に拒否感を覚えた人もいるみたいだが、「シナリオは期待していなかったが思っていたより良かった」と思っている人の方が多いっぽい。
自分も後者。
スタッフがどう受け止めたかどうか知らんが、2は終始おちゃらけたノリらしい。
えー。


システムとかバランスとか

グランファンタズムから引き継いでいる要素がちらほらあるみたいだが、イリス2とグランファンタズムは未プレイ(マリー〜イリス1はプレイ済み)だったので、全体的に新鮮。


グロウブック。
まあ、アトリエ版のスフィア盤。
キャラ毎に微妙に違う。
基本的に最初は全てロックされているが、錬金で新しくアイテムを作り出す度にロックが外れ、戦闘で入手するAPをつぎ込むことで、特殊能力の取得やステータスの強化を行える。
この要素のおかげで、「作ったには作ったけれど全く使い道がない」ようなアイテムも、作り出すだけで意味があるように。
言い換えれば「グロウブックのロック解除のためにしか存在意義がないようなアイテム」もあるのだが、「存在意義がないようなアイテム」よりはよっぽどマシ。
100%埋めるのはやり込みでも何でもなく、逃げまくったりしていない限りは、ラスボス戦前には控えメンバー以外は大体埋まっていることでしょう。(レシピの取り忘れでロックを解除できていない場合は除く)



戦闘。
これもちとFF10に似ている所があり、ある程度先までの行動順が表示されている。
行動によって発生や隙が変わってきたり、ノックバックを発生させると敵の行動順を後ろに送ったりできるなど、なかなか奥が深い。
速ければ速いほど行動回数が増えるので、速さは非常に重要。
即死しない程度の防御力があれば、速さは幾らあっても困ることはない。


援護。
前衛(戦闘に参加するメンバー)は3人までだが、後衛も3人まで設定することができ(全メンバーは8人なので残りの2人は戦闘に全く参加できない控えとなる)、戦闘中に色々なタイミングで交代することができる。
普通に「交代」することももちろん可能だが、援護攻撃や援護防御で交代する方が一般的。
「攻撃力は高いが遅いキャラ」の攻撃に速いキャラが援護して隙を消したり、死にそうなキャラが狙われた時に引っ込めつつ援護防御するなど。
それもただ攻撃したり防御したりするだけでなく、キャラによって「援護攻撃が全体攻撃」「援護攻撃に物理防御力ダウン効果付与」「援護防御時は完全無敵」「援護防御が味方全体に及ぶ」など様々。
援護の性能だけで、雑魚戦とボス戦でパーティを使い分ける必要が出てくるほど重要。
また、引っ込めている間はHPやSPが回復するので、何も無くても援護攻撃するなどして積極的に交代していった方がいい。


バースト。
戦闘毎にリセットさせる、攻撃を当てると溜まっていくゲージで、弱点を付いたりクリティカルが発生したりすると大きく溜まり、全部溜まると一定時間の間パーティ全体の強さが目に見えて上がる。
また、バースト中は各キャラ1人に設定されている必殺技が使用可能になり、ボス戦での大きなダメージ源となる。
「バースト終了するギリギリまで殴る→必殺技でフィニッシュ」が基本。
主人公の必殺技名がアインツェルカンプなのはファンサービスか。
後半になればなるほど「強力な技に援護攻撃を被せて交代してSPを回復させる」のが基本となり、通常攻撃を使うことなどほとんど無くなるのだが、キャラ毎によって通常攻撃には「竜系に特効」「ぷに系に特効」などと特定の種族に対する特効が付いており、そのような種族特効の技は存在しないので、「弱点を突いてバーストゲージを大きく上昇させる」という点で、終盤でもギリギリ通常攻撃が空気になっていないのは評価できる。
6以降のドラクエなんて通常攻撃するメリット無いもんね。
正拳突きか爆裂拳でもやってりゃいいんじゃね?


アトリエにはつきものの日数制限。
設定上の期間が入学〜卒業の3年間だったり、ダンジョンにいると夜になったり明けて朝になったりと時間経過があったりと、日数制限がありそうな匂いがするけれど、極一部のイベント(というか授業)を覗いて時間制限は無し。
ハマりを気にすることなく心置きなくプレイすることができる。
古参プレイヤーは「日数制限が無いなんてアトリエじゃない!」とか思ったりするんだろうけど、「マリーと覚える最新科学」が「ロロナと覚える最新科学」になってしまうように、時代の流れなのですよー。
決して王虎姫をディスってるわけじゃないんだからねっ。
ん、でも、ロロナやってないからわからないけれど、トトリがロロナの5年後みたいだから、ロロナも5年制限があったりするのかしら。
まあ、トトリも含めてのちのちやりたいゲームではあるから、今特に調べることもないか。


採取関係。
ユーディー以降のように、ダンジョンを探索しながら落ちているアイテムを集める方式。
シンボルエンカウントなので、避けミスさえ無ければ(それほど難しいものでもない)無駄に戦闘することなく素材を集めることができる。
ただ、前述の通りダンジョンにいると時間経過が起こるのだが、夜になるとGALZOOよろしくモンスターが突然強くなり、フィールド上のシンボルもタミフルな速度と動きになるので、そう簡単には避けられなくなる。
ペルソナのようにシンボルに攻撃しながら接触すると有利な状況で戦闘に突入することができるのだが、剣を当てられずに接触すると、不利な状態で戦闘に突入することになる。
つまり、「夜に無理に避けようとする→タミフルなシンボルに接触される→敵先制→敵強い→ウボァー」という事態になる。
ただまあ、一部のイベント戦闘を除いて全滅しても学園の保健室に戻されるだけなので、「夜になったからアリアドネで戻る」のと「夜にモンスターに先制されてイゴる」のとでは、実際何も変わらない。
意図しない所で学園に戻されるのはシャクではあるが、基本的に何も失うものがないので、まあ。
ただ、別に時間制限があるゲームではないので、夜になったら敵がいない場所で5分ほど放置して朝になるのを待てば全く問題ない。
夜に戦闘するメリットは全くない(経験値もドロップも同じ)ので、堅実に進めたいのであれば「夜になったら放置して朝になるまで待つ」必要があり、つまりテンポが悪い。
GALZOOみたいに時間制限が厳しいゲームであれば、システムの一つとして無くてはならない要素だったろうが、こちらは全然問題も関係もないので、ただ単に足かせにしかなってない。
この要素も、2で削られたとか。
「必要ないなら最初から入れるなよ」と突っ込みたい所ではあるが、ユーザの意見をしっかり続編に取り入れている姿勢は評価できるので、まあ。


自分で採取しに行くという昔ながらの方法でも素材集めはできるのだが、各キャラに「採取に行かせる」「連金させておく」等といった役割を与えることができ、各区切り区切りでそれらのアイテムを取得できるので、効率よく役割分担しておけば、自分で素材を集めに行く必要はほとんど無いと思われる。
まあ、攻略を見ながらやったわけじゃないし、そこまで効率的な役割分担をできたいたわけでもなかったので、何回か足を運ぶ必要はあったけどね。


戦闘バランス。
しっかり錬金してしっかりグロウブックを強化し、数々の独特のシステムを使いこなせるようになれば、特に問題ない。
夜にボス戦に突入すると途端にマゾゲーになるが、やはりメリットがないので、素直に朝になるまで待ってボスに挑むが吉。
ガルーダの赤走行みたいに、何かしらのメリットがあればそれはそれで面白かったとは思うんだけどね。
ただ、店売りのレシピを見逃すことはないだろうけれど、ダンジョン内の宝箱に入っているレシピを見逃すことはあるだろうから、レシピの見逃しっぷりによっては戦闘がきつくなる危険性がある。
自分は幸いなことにレシピの取り逃しはなかった(中盤まで保健室にもショップがあることを忘れており、保健室売りのレシピの分の強化を行えなかったことで泣きをを見たことはあったけれど)が、こればかりは運か。
グロウブックを見て「そろそろこの部分のロックが外なきゃおかしいのに一向にその気配がない」などといった悪寒を感じた時は、素材を集めつつ踏破済みのダンジョンに潜り直した方がいいかも。
で、戦闘自体は、温くもきつくもなく、テンポが良く、そこそこ戦略性があり、エフェクト的にも見ていて気持ちのいいものなので、結果として楽しいものに仕上がっている。
前後衛激しく入り乱れながら大技連発で戦う様は、アクション要素はないが無限のフロンティアEXに近いかも。
自分はこの手のゲーム好きなんだな、きっと。


キャラ毎にレベルという概念がなく、グロウブックでの強化や装備品で強さが決まる。
ので、完全な二軍というものができにくいというか、普通にやっていたら発生しない。
普段使っていないようなキャラでも、宝箱からそのキャラ用の武器を拾った途端に主力に変貌したり。
「好きなキャラだけ使っていたいんだい」という人にとってはどうでもいいかもしれないが、空気なキャラが生じないのはいいことだと思う。


昔のアトリエに比べて消費アイテムの影が薄い。
フラムやレヘルンといったお馴染みのアイテムはあるが、投げた記憶がない。
以前の主人公はアイテムを使う戦闘ですることが無かった(というかアイテムの使用は主人公の特権だっけか)が、こちらは別に主人公も普通に戦えるというか強キャラなので、殴ってた方がいい。
アイテム自体も別にどのキャラでも使える。
隙が小さいので回復アイテムはたまに使った(特に戦闘不能回復)が、攻撃アイテムは使う必要ないんじゃないかな。
まあ、時代の流れというか、ゲーム性の違いということで。
やったことはないけれど、トトリやロロナではうにやレヘルンを投げる必要あるはずだっ。


敵のドロップアイテムがしょぼい。
序盤はまだ未入手のアイテムを入手する楽しみがあったのだが、中盤以降のモンスターも基本的に序盤のモンスターと同じようなものしか落とさないので、ドロップアイテムに関する楽しみが無くなる。
どうして終盤でもきよ水とかキャロ芋とかしか落とさないの……馬鹿なの……死ぬの……


クリア後に裏ダンジョンがあり、裏ボス戦が6回ほどあるが、大して強くなかった。
むしろ隠しダンジョン専用の雑魚キャラの方がよっぽど強かった。
せめてもう少し強くてもよかったような気がするんだが……


音楽とか

いい。
サントラ欲しい。
amazon覗いてみようかしら。
しばらくアトリエから離れていたけれど「あ、懐かしい」と思ったSEはちらほら。
そういうのって重要だよね。
声はまあ問題なし。
FF12の数阿僧祇倍はいいよ!
ああ、マイナスのものを掛けたらどんどん数が小さくなっちゃうか。
これは失敗。


絵とか

キャラデザの好みはふつー。
一枚絵はエンディングにしか無いっぽい?
戦闘等のドット絵の動きやエフェクトはいい感じ。


総評

上の中。
予想以上に楽しめたゲームでした。
夢にまで見たゲームは久しぶり。
これによりアトリエモチベが上がったので、ロロナやトトリもやりたくなってきた。
ソフトだけ買って本体を借りてやるという手も有りか……
まあ、その前にマナケミア2ですな。