WHITE ALBUM2 -closing chapter-

WA2CC、フルコンプ完了。
噂通りのいい作品でした。
ここから下は、適度なネタバレがあり、ことある毎に君望と比較しているので、色々と注意。




で、なんとなく、物語の構成的には君望に近いものがあると思う。
よくある「仲良くなったヒロインのポッと出のトラウマを解決していえー」ではなく、序章、物語の中で巨大なトラウマをこさえた上で、それを主軸に物語が展開していくという、修羅場スキーにはたまらないシチュエーション。
ただでさえ、劇中でWHITE ALBUMやらPOWDER SNOWやらあの頃のようにやらが流れるだけで、鼻の奥がキュンとなるってのに、そんな好みのテーマをここまで上手く料理されたら、それはもう手放しで賞賛するしかなく。


主人公がどうしても合わずに投げ出してもいるみたいだけれど、多少、へたれというか優柔不断になってしまうのは仕方がないんじゃないかな。
二昔ぐらいのゲームであれば、攻略対象キャラはメインの2人に絞ることも世間的に許されただろうが、今の御時世、メーカー側としては商売の関係上攻略対象キャラを増やさざるを得ず、そうなると一途な主人公じゃ物語が成り立たない。
まあ、多少へたれているとはいっても、鳴海の孝之君や藤井の冬弥君とは比較にならないぐらい真人間なので、彼らを受け入られた人であれば、投げ出してしまうレベルではないんじゃないかな。
誠死ね


1周目は雪菜エンドに到達。
君望は、遙と水月、「どちらが本当のメインヒロインか」を断言できる作品ではなかった(物語の展開上は水月エンドが一番まとまってるとは思うけどねー)けれど、こちらは、確実に「雪菜がメインヒロイン」と断言できると思う。
その分、君望では遙と水月で割と等しく分担していた受難を、雪菜はほぼ1人で背負ってしまっているわけで。
劇中で経過している年月の重さ的にも、実際のプレイ時間の尺的にも、初プレイ時は「雪菜ルート以外に入る」という選択肢は存在しておりませんでした。
多分、システム的に「1周目は雪菜かかずさしか攻略できない」といったロックはかかってなかったとは思うけれど、心情的にはもうロックされまくりのがんじがらめですよ。


codaに入ってからは選択肢が出る度に画面の前で考え込んでしまうことがしばしば。
君望の時は「初恋の人の遙にするか、3年間付き添ってくれた水月にするか」の天秤で揺れていたのに対し、こちらは「どうやったら雪菜ルートに入れるか」で迷っていたという違いはあるけれど。
「約束を破ってでも声を聞きたい」「約束を守って電話はしない」というものや、「嘘をついて安心させる」「正直に言って傷つける」というもの、「行かない」「行けない」という微妙なニュアンスを読み取らなければならないものまで様々。
ここまで選択肢で毎度毎度悩ませてくれたのは、本当に君望振以来の経験だった気がする。


1周目で無事雪菜エンドを迎えた後は、1日インターバルを置いてから、他のキャラの攻略に着手。
へたれ孝之は、水月エンドと遙エンド以外は色々な決着を放り投げて逃げ出していた感じがするし、実際サブヒロインのほとんどのエンディングで流れていた曲はバッドエンドの曲だったけれど、こちらはキャラ個別のルートはちゃんと雪菜と決着を付けていたのが好印象。(かずさバッドやノーマルエンドは除く)
別れこそ、しっかり描かないとね。
まあ、エンディングの数だけ、雪菜は酷い目に合うことになるんだけど。
特に、ccとcoda、3年間と5年間の重みをしっかりと描き分けていたのが素晴らしい。
かずさルートの時の雪菜といったら、もうね。




13年の時を経て再び繰り広げられたビンタ合戦で「固定4800ダメージキター!」と内心小躍りしていたのは秘密。
僕は鬼千鶴使いちゃん!(関係ない)



ちなみに、雪菜ルートは色々と、本当に色々とあるけれど、最終的にはほぼ満点に近い大団円。
この手の物語で、ご都合主義ではない大団円というのは、まずありえないというか、うん、初めての経験でしたよ。
微妙に歪で少々面倒くさい女ではあったけれど、雪菜のキャラ付けをこうしなきゃ成し得なかっただろうなあ。
その面倒くささも、長い物語を終えてみれば、愛嬌すら感じて。
無印の君望の遙も個人的にとてもいいキャラ付け(魔性遙含む)だったけれど、あちらは、リメイクやら第三章やらで理解不能の女になっちゃってたからなあ。
遙どこ行ってしまったん。




絵はもうちょい頑張って欲しかったけれど、それ以外は本当にもう最高の作品でした。
とりあえず明日カラオケで練習しよう。