書淫、或いは失われた夢の物語

ループ物、なのか……?


システム

昔のゲームだけに、古臭さは否めない。
パッチを当てる前は、遅いし止まるし誤字多いしで劣悪だったけれど、非公式パッチ(OHPが消滅しており、元開発者が独自にパッチをアップしていた)を当ててからは快適すいすい。
プレイするならパッチは必須。


古臭さの代表格として、コマンド入力方式の選択肢が上げられる。
遥か昔のアドベンチャーゲームの「get」「go」とかそのノリだ。
とはいえ、コマンド入力を求められるのは極一部。
普段はちゃんと選択肢が「1:外を探す」「2:中を捜す」などといったように表示され、それらを選択することによってテキストフィールドに「1」「2」などの値が入り、決定することによってゲームを進行することができる。
たまに選択肢がまったく表示されずにテキストフィールドだけ表示される場合もあるが、大抵直前の会話から推理できるので問題なし。
金庫の番号入力なども同様だ。
厄介なのが、ちゃんと幾つか選択肢が表示されているのに、それ以外の文字を入力することにより分岐できる場合だ。
選択肢が何も表示されていないならここは入力するシーンだと一目で分かるが、「1:油絵」「2:水彩画」「3:えちぃ絵」などと選択肢が表示されているにも関わらず、隠された選択肢として「○の絵」と入力しなければ、真相に辿り着くことができない、とか言われた日にゃもう。
一応、ストーリーの進行具合によってその選択肢直前にヒントとなるような文言が追加されることもあるが、それすらもないことも。
まあ、そんなの、それこそ70〜80年代のADVを普通に解いていた人種にとってはへのつっぱりにもならないのだろうが、今の時代にそれをやられると、きっつい。
このシステムをどう受け取るかが、この作品に対する評価を大きく左右するような気がする。


シナリオ

シナリオは「書淫」と「失われた夢の物語」の2つ。
どちらも「山奥の館に閉じ込められちゃったので、なんとか脱出しよう」てな話。
最初は舞台設定や登場人物以外の接点はないが、徐々に交わって1つの結末に収束していく。
ザッピングとか並行世界とかそういう分かりやすい交わり方ではなくかなり特異なので、ネタ明かしの前に自力で辿り着けたらかなりの猛者。
明かされた直後はそりゃ反則だろうと思ったが、色々と伏線があるにはあったので、まあいっか的な結論に。


音楽

MIDIだったということ以外、記憶も印象もなし。


昔だなあと。


総評

中の中。
やる時期があと5年ぐらい早ければまた違ったかもしれないが。
うーん。