ユメミルクスリ

操作性

十分な数のセーブ、クイックセーブ&ロードの搭載、ホイールで起動&右クリックで閉じられるバックログバックログでも再生できる音声、軽快なスキップ、ちゃんと飛ばせるスタッフロールなど、痒くなりそうなところをあらかじめかいていてくれるような、しっかりとしたシステム。
個人的には、台詞を喋っている最中にバックログを開いた際に、音声が途切れることがなかった点が好感触。
ある程度長時間継続してプレイしていると、メッセージの長短に関係なくポチポチとさながらメトロノゥムのように一定間隔でクリックするようになってしまうので、不意に長いメッセージが表示されると全て読む前に送ってしまうことがしばしば。
なので、結構な頻度でバックログを展開することになるわけだが、ゲームによっては音声が流れている時にバックログを開くと、音声が途切れてしまう。
前やってたあやかしびととか。
音声はそれほどじっくり聞く方ではなく、むしろ飛ばすことの方が多いのだが、脳内ではある種のBGMと認識しているようで、自分が意図しないタイミングで音声がブツ切れになると、ストレスゲージが1増加してしまうという統計が得られています。
些細な上に他の人にとってはどうでもいいことなのだろうが、前やってたゲームがそうじゃなかっただけに、満足することができた。
プレイしていた時は特に何も感じなかったが、今になって考えるとそれは全くストレスを感じることがなかったとも言い換えることができるわけで。
派手さはないが、操作性に関しては満点ですな。


ストーリー

典型的なレール上歩行少年が、レール外ウォーキングガールと出会うことによりアカルイミライが拓かれるというお話。
攻略対象キャラは3人で1キャラ当たり3〜4時間程度で終わるので、総プレイ時間は10時間前後と比較的コンパクト。
身構えることなく気軽にプレイできる、いい塩梅の長さでは。
ロミオゲーだが、思ったよりもロミオロミオしていなかったような。
以前やったロミオゲーがイマだっただけに、「高密度のロミオ分は人体に有毒」ということを知っていたので、プレイ前はある意味で覚悟していたのだが、これぐらいの配合なら大丈夫。
いじめやクスリなど重げなテーマは扱っているものの、それほど重っ苦しい展開にはならない。
むしろ、笑顔を浮かべながら無邪気にコキュっと締め落とす様は、愉快痛快気分爽快。
「ひゃ、119番って何番だっけ!?」「119番よ!」というやり取りにも笑わせてもらった。
混乱っぷりがよく現れていらっしゃる。
攻略対象以外のキャラもちゃんと立っており、愛すべきエロゲイと家族、立ち絵すらないけどどこか憎めない生徒会の面々、にっくきアントワネットとその一味、「表面上の付き合い」のクラスメイトなど、表現するのが難しそうな関係までしっかりと表現できているのはさすが。
なんか、ムー大陸や浮遊大陸扱いされている関東のいち地方で孤軍奮闘している人とエロゲイの印象が重なるんだよなぁ。


音楽

OP曲の「せかいにさよなら」がいい感じ。
「今いる世界にさよならしようか」などと言っている割には、テンポはひたすらポップでサイケ。
ふと口ずさんでいた口笛がこの曲だったりすることも多く、知らず知らずのうちに浸透していたんだなぁと実感。
初めて聞く名のボーカルだったけど、今後は要チェックかな。
名前覚えてないけど。
だめっぽい。
それ以外の曲は特に印象なし。


柔らかな線の淡い色調の絵。
作品の世界観と見事にマッチしている感じ。
それ以外はこれといった感想なし。


総評

上の下ぐらい。
作品自体は小粒だけれど、本当に隅々まで丁寧に作られている印象を感じる良作。
ロミオ好きならやって損はないかと。