英雄伝説6 〜空の軌跡〜

シリーズ物の6作目だが、1〜5はやったことなし。
そもそも、今までクリアしたことがあるファルコムのゲームはSFC版イース3(くそげ)のみ。
プレイする前の予備知識は「読売新聞のコボちゃんの下にある広告欄でカラー印刷で発売カウントダウンしてた」のを知っているぐらい。
さて。

操作性

概ね良好だが、細かいところで微妙に。
メニュー画面は展開する度に気にならない程度に軽くアニメーションするのだが、展開され切れる前にボタンを押すと効果音だけ鳴って反応なし、という微妙なレスポンスが。
あと、高速化ツールを使うと確かに早くなるのだが、一部の魔法など派手なエフェクトのシーンでは通常よりかなり動作が遅くなるという現象が。
んな変なツール使った時の動きなんてメーカーにとっちゃ想定外だろうが、個人的にアクション要素が薄いパソゲーは常に3倍速ぐらいでやっており、高速化ツールを使えない(使ってもほとんど恩恵を得られない)のはかなり口惜しかったので減点対象。
魔法を使った時だけならまだしも、背景が動いている場所(海とかそこら辺)を通るのに通常のン倍もかかるとなるとねぇ。
セーブデータを1000個保存できるのは凄いと思ったが、ほぼ1本道のRPGにそんなにいらないと思った。

シナリオ

英雄伝説3〜5は3作品で1セットだったらしい。(DQ1〜3がロト三部作のようなもん?)
で、英雄伝説6からは新たなシリーズということで、これはその1作目。
つまり、ぶっちゃけ未完。
とりあえずの事件は片付いたものの、もりもり伏線が残りまくり。
っつか、ラスボス倒した後にばりばり伏線張りまくり。
なので、今の時点での感想を言わせてもらうと、まあ凄く好感が持てるなぁと。
6の開発期間は4年ぐらいらしいが、なるほど、確かにそれに見合うだけの完成度ではある。
世界観がしっかりしており、箱庭としては完全に近い。
また、6の舞台は世界規模ではなくいち地方での話であり、名前だけ(あるいはその地方のキャラだけ)しか出ていない地域もまだまだあるので、今後の展開にも期待ができる。
キャラはしっかりと立っており、無理に特徴付けるためにDQNな性格にしていることもない。
あー、まったく、DQNな世界でDQNなキャラがDQNなシナリオを綴るどっかのテイルズなんちゃらシリーズも見習って欲しいぜ。
そういや発売日に買ったリバースクリアしてないや。
まあいいか、やる価値ないし。
ストーリーの流れとしては、大雑把に言うと「何でも屋見習いの主人公×2の父親が失踪しちゃったので、各地を回って正何でも屋として認めてもらうついでに探してやるかしょーがねぇ」ってな感じ。
で、各地を回っているうちに背後に蠢く大きな陰謀に気づいていき&巻き込まれていき、父親探しとセットでそれを解決して終了と。
終わったと思ったところで、エンディング直前にそれまで未消化だった伏線が消化されたと思いきや、更なる伏線が誕生&次回作予告ムービーが流れて本当に終了と。
王道過ぎる展開なので派手さはないが、前述の通り世界観とキャラがしっかりとしているので安心して楽しむことができる。
あと、終わり方が凄く自分好み。
「幼馴染(?)の2人が共に冒険するに連れて恋心に気づく→エンディング付近で告白→だがしかし」ってな。
あーもー、次回作が気になるぜ。

ゲーム性

えっと、こういうジャンルってタクティカルRPGって言うんだっけ。
戦闘がちょっとしたS・RPGになるRPG。
ファミコンジャンプ2のような。
うわ、くそげーに聞こえる。
さっきの訂正。
戦闘バランスは、やさしすぎず、難しすぎず、考えなしにやっていると全滅することもあるけど、ちゃんとポイントを抑えておけば特にレベル上げせずとも進める程度の、丁度いい感じ。
これ系のゲームは、範囲攻撃でいかにより多くの敵を巻き込むかが熱いんだわ。
技によって「敵指定」「場所指定」と分かれており、更に「詠唱有り」「詠唱無し」にも分かれ、んでもってほとんどの場合物理攻撃でノックバックが発生するため、ある程度先読みしないと思い通りの結果を得るのは難しい。
が、詠唱時間の長い術を唱えておき、物理攻撃で敵をみんな範囲に押し込めた後に丁度発動させることができた日にゃ、爽快感抜群。
行動順が表示されており、ある程度制御が可能なため、そこら辺の駆け引きもいい感じ。
行動順によっては「攻撃力+10%」「クリティカル発動」などのボーナスを得る(これも表示されており、敵も恩恵を受ける)ことができるため、更に行動順の調整が熱くなってくる。
ボスにクリティカル取られて全体攻撃されたら気まずいから気をつけよう。
シナリオ同様戦闘システムもこれといった派手さはないが、全てがバランスよくまとまっていてストレスなく楽しむことができる。
ランダムエンカウントではなくロマサガのような接触型で、背後から接触すれば先制攻撃することができる(接触されると先制される)。
敵に見つかりにくくなるアイテムやそもそも接触しても戦闘にならないアイテムなどもあるので、避けようと思えば強制戦闘以外はほぼ0で進むことができ、無駄な戦闘を省くことができる。
背後から接触するようにすれば、レベル上げも楽チン(あまり必要ないが)。
いいね。
ラスボスはポッと出のキャラ(?)だったから、印象の薄さは否めない。
けど、こっちのHPが2000ちょいしかないのに、4000超の攻撃を出してくるのには好感が持てた。
触手?
キック?
それともトリプルヒット?
ああもう、素直に即死攻撃にすればいいのに、わざわざ最大HPの2倍のダメージを与えてくれるなんて。
素敵。

音楽

身近のケムコニスト兼ファルコムニスト兼ケムコニストの影響で過剰な期待を抱いていたが、まあ普通にこざっぱりとまとまってるレベル。
ファルコムニスト」とぐぐるより「ファルコマー」でぐぐった方がヒット数多いのね。
関係ないけど。
印象に残ったのは
・銀の意志(終盤の特定のボス戦とか)
・星の在り処(ハーモニカ版・ボーカル版共に)
ぐらいか。
並の上ぐらい?

グラフィック

LRでぐりぐり回すことができる、斜め見下ろし型のクオータービュー。
ヴァリヴァリの3Dなので、スペックの低いパソコンだとつらいかも。
キャラはポリゴンではなく擬似3Dのドット絵くさい。
デフォルメされたキャラの動きが非常にいい感じ。
戦闘より通常のイベントシーンの方がよく動いていると思うのはなぜだ、
どっかのテイルズなんちゃらシリーズなんて、戦闘ではないイベントシーンだとあまりにも見てられないレベルなのに。
MSX以上ファミコン未満って感じ。
キャラ絵は、特にくせもなく万人に受けるタイプかと。
が、顔のみだと違和感ないのだが、全身像になると一部バランスが悪いように見受けられるキャラが何人か。
まあ、ただの勘違いというか気にしすぎかもしれないので、それほど気にはならない。
メッセージウインドウにはキャラの表情が表示されるのだが、そのパターン数とクオリティはそんじょそこらのぎゃるげより。
一部のイベントシーンで挿入される一枚絵も、数はないけれど物語を盛り上げるのに一役買っている。
EDで流れるムービーは、これからの展開を期待させるのに十分なデキ。
反面、OPムービーは止め絵ばっかりでちょっとさみしい感じ。
悪くはないが、なんか途中で飽きた。
OPもボーカル有りなら違ってきたんだろうけど。

総合

上の下ぐらい。
やり込み要素と呼べるようなものがないため、クリアすると後は次回作を待つぐらいしかすることがなくなるのが評価が分かれるところだが、それほど時間を持て余してる身ではないのでこれはこれでよし。
「疑うのは僕の仕事だ。君は自分の直感を信じて欲しい。」
は地味に名台詞だと思うのだが、どうだろうか。