スパロボNEO

操作性

もはやスパロボの皮を被った別ゲーであり、最初こそその操作感に戸惑いはしたものの、全体的なインタフェースは良好。


読み込み時間は気にするほどのものでもないが、セーブデータのロードが極めて遅く、更にパッドリセットが無いので、リセットが非常に面倒。
一度やり直したいと思ったら1分間のインターバルは覚悟しなければならない。
セーブは一瞬(体感的に1秒未満)なのに、ロードがこれじゃ意味ないっつーの。
2回ほど、リセットボタンを力いっぱい押し込みすぎて、Wii本体を棚から落としてしまった。
本体の軽さが仇になったか。
任天堂製品だから助かったものの、ソニー製品なら完全に壊れているところ。
危ない危ない。


「どこまで攻撃が届くか」かが分かりづらい。
「移動」を選択すれば移動範囲が表示されるし、武器を選択すれば射程範囲が表示されるものの、その2つを合わせて見ることができないので、「移動した後に射程3の武器でギリギリの範囲から攻撃したい」という時は、「移動→武器選択→範囲確認→微妙に遠いor近い→キャンセル→キャンセル→キャンセル→移動調整→武器選択→範囲確認→微妙にry→」という手順が必要になり、非常に面倒。
それだけならば従来のスパロボと同じように思えるが、従来はデジタル的なマス目制なので、いちいち確認せずともパッと見で判別することができるが、NEOはアナログ的な……うん、あれだ、ファントム・ブレイブのような感じ。
ディスガとファントム・ブレイブの違いと言えばいいか。
ファントム・ブレイブは□ボタンを押しながらだかで「攻撃の射程範囲を表示させたまま移動」することが可能だったが、NEOではそれが不可能。
そうだよ、その仕様をかっぱらってしまえば、劇的に操作性が向上したんじゃないか。
ユニットによってサイズが違うのも拍車をかけており、「ゴーショーグンじゃ無理でもマジンガーぐらいならあそこの隙間に行けるんじゃないか」と見積もって母艦から出撃はしたものの、やっぱり隙間が足りなくて無理でしたー、ということも日常茶飯事。
指定した地点にどれぐらいのサイズのユニットが入れる隙間があるかを確認できるようにして欲しかった。


敵ユニットの詳細ステータスを見ることができない。
せいぜい、現在のHPや気力を確認できる程度で、射程幾らの武装を持っているだとか、装甲が幾らあるだとか、自然回復の有無だとか、そういったことを確認することができないので、まさに全時代的な「やって覚えろ」な仕様になっている。
最初からそういうシリーズであれば、まあしぶしぶ納得はできるものの、本家がそうではないので、比較してしまうと不便さしか感じない。
特に、今回は武器に色々な属性がついており、ボスが対空兵器(飛行ユニットに対し「武器攻撃力2倍」「命中率2倍」「反撃封じ」などの効果を発揮する)やMAP兵器などの危険な属性の武装を持っているかの確認をできないのはきつい。
セーブ&ロードが不便なのも相乗効果で。


ついでに。
敵ユニットとは違って味方ユニットのステータスはもちろん確認できるのだが、戦術マップで確認しようとすると、画面切り替え?読み込み?のせいで2秒ほど時間がかかる。
そんな頻繁に確認することはないとはいえ、どうしてあんなにももっさりしてしまったのか。


いつも通り何回かストーリーが分岐するのだが、分岐する際、いなくなるメンバーの強化パーツが全部外れてしまう。(1話だけの分岐とかだと外れないこともある)
本家のスパロボは1軍2軍が明確に分かれているので、ブンタや魚竜やハヤミやネッサーがいなくなろうと強化パーツなんて付けてないのでどうでもいいのだが、今回はいつでも全ユニットを出撃できる関係上、ほとんど使わないようなユニットにも強化パーツをつけておくのが基本であり、分岐する度に半数のユニットの強化パーツが外れてしまい、とてもゲッソリさせられる。
最近のスパロボみたいに、「いなくなったメンバーは強化パーツをつけたままだけど、いつでも外すことはできるよ」という仕様でよかったのに。
何を考えているんだ。


消費アイテムが消費しなくなった。
具体的には、「1マップでは1回しか使えないけれど、次のマップではまた使える」仕様になった。
これはいいと思う。
本家では、プロペラントタンクとかリペアキットとかの消耗アイテムなんて、溜まった時にまとめて売却される程度の存在でしかなかったが、この仕様によってグッと存在感が増した。
ほとんど使い道のないような2軍ユニットでも、EN回復アイテムを持たせておくだけで、1マップで1ターンぐらいは母艦の外に出る機会が生まれることとなる。
アイテムが揃ってきた後半は、気力増加アイテムを使いまくって1ターン目からゴーフラッシャースペシャル(最強のMAP兵器)を使いまくる、なんてのはもはや基本。
この消費アイテムの仕様をもっと活用しまくれば、後半マップももうちょい楽になったかしら。




ストーリー

ゴーショーグンやマジンガーなど、過去のスパロボで簡単なストーリーを掴んでいるものや、唯一原作を見たことがあるGガンは、原作終了後の設定となっているので、どの参戦作品がどれぐらい原作を再現しているのかはサッパリ。
ちらっとwikiを見た限り、かなり扱いに差があるようだ。
まあ、ダンクーガも初参戦作品(=第四次)がいるだけ参戦だったりしたので、今に始まったことではないが。
オリジナルは、特に鼻に付くことがない、可もなく不可もなくといったところ。
ただ、オリジナルの雑魚ユニットのデザインはどうかと思う。
どこのジョイメカファイトかと思った。
いや、ジョイメカファイトは大好きですよ。
うん。




システムとか

冒頭でも触れたけれど、従来のスパロボファントム・ブレイブを足して割ったようなゲームになっている。
非ヘクス制のゲームはみんなこんな感じなのかもしれないが、他に比較できるゲームを知らないので、ファントム・ブレイブで。


意外と難易度が高い。
システムに慣れていない序盤と、巨大ボスとの連戦になる終盤が特に顕著。
特に最終マップなんて、ボスの地形修正値が95%とかあって冗談かと思った。
どうして普段10000とか通る攻撃が500しか通ってくれないの……
コロニーの上から降りてくれないポセイダルなんて目じゃなかった。
幸い対策というか救済策はあったとはいえ、それもまた面倒というか嫌らしかったしなあ。
最近のスパロボの傾向(Zは要ネゴシエーター、Kはデフォルト)として、ユニットを撃墜されても修理費がかからないので、「このボスを倒せばこのマップは終了だ」という状況では、玉砕覚悟で攻撃しまくれば下手に落ちないように戦うより簡単にクリアできると思われ。
特に、今回は母艦からユニットがいるだけ出撃できるので、脆いユニットで「出撃→撃墜→出撃→撃墜→出撃……」と繰り返した方が、1ターンの攻撃回数が劇的に増えるかと。
まあ、修理費がかからないと知ったのはかなり後半(「そういえば今回の修理費はどうなってるんだろう」と疑問に思ったがラスト数マップ目)だったので、生かすことはできなかったのだけれども。


シナリオに分岐があった件も含め、効率的な進め方を知った今、2周目をやってみたい気がしないでもないけれども、かなり1周辺りのプレイ時間が長かったので、どうしても構えてしまう。
また、主人公が選択制ではなく固定なので、主人公を変えて変化を楽しむというものがないし、明確な2軍が生じないシステム故に「前回使わなかったキャラを今回は使ってみよう」というのも無く(メインに据えて使うかサブで使うかの違いはあるだろうけれど)、効率を目指せば結局ゴーフラッシャーなので、うん、まあいいや。
いつものことだけど、戦力がちゃんと揃い始める前、序盤がだるいのもあるし。


システムがガラっと変わった割には、「これは要らないだろう」という死にシステムは無かった気がする。
見方を変えれば、大幅に変えたのがよかったのかな。
下手に本家のシステムにちょこちょこ加えるよりは、整合性やバランスは取りやすそうな気がするし。


連続ターゲット補正(同一ターンに同じユニットに攻撃するとどんどん回避率が下がっていく)と包囲システム(敵対ユニットを囲むと命中率や攻撃力が上がる)があり、ダメージを受けるとSPが回復するシステムの関係上、回避ユニットに優しくない。
また、計算式の関係上、精神を使わない素の状態だと、絶対に命中0%にはならないとかなんとか。
援護防御を行えない属性の攻撃も多いので、打たれ弱いユニットのHPも補強しておく必要がある。
まあ、敵ターンでも反撃選択時に精神を使えるので、危ない時は閃きや根性を使えば何とかなるのだが。
MAP兵器を使われると無理なんだけどね。
かといって、装甲に関係なく追加効果で固定ダメージが発生する攻撃も多かったりするので、硬いからといって安心もできない。
そういう点では、タフさと分身を併せ持つゲッターはイケメンだったのかしら。
強化したのがかなり終盤だったので、ボス戦ぐらいでしか使ってないんだよなあ。


包囲効果。
敵を囲むと攻撃力そのものに倍率がかかり、最大で武器攻撃力が2倍にまで上昇する。
2倍状態で攻撃力5000超えの武器を選択すると表示は9999に留まってしまうが、ちゃんと内部的には10000以上になっている模様。
イデオン的な感じか。
また、攻撃力以外に命中率も上がるので、回避の高いボス相手に必中をケチる時にも有効。




音楽

オリジナル系の音楽は特に印象無し。
知っている作品が少なかったので、版権作品の音楽もイマイチ記憶にないが、明鏡止水はいつも通りだったので安心。




3Dスパロボ系列として、GCに比べれば進歩しているとは思うが、でも、まあ、ドット絵の方が間違いなくよい。
GCは「先頭だけ3Dだよ!」だったが、NEOは3Dであることを生かしたシステムもあったので、今回のようなシステムであれば3Dスパロボもいいとは思うけれど、NEOはセールス的に奮わなかったらしいからなあ。
参戦作品的な問題もあるとは思うけれど。
難しいのかなあ。




総評

上の中。
後半はちょっぴりダレた時期もあったけれど、十分楽しめました。
こんな感じのシステムのスパロボも継続して出して欲しいところではあるけれど……うーん……