天使のいない二挺拳銃

だらだらやっていた天使ノ二挺拳銃をコンプした。
コンプを達成した後、何も言わずに「天使ノ二挺拳銃 レビュー」でぐぐって世間一般の評価を確認し、安心した。
うん、微妙だわ、これ。
夜にやると10分もしないうちに眠くなるという特典が付いてきていたようで。
こののっぺりした雰囲気は確かに世界観にあってるのかもしれないけど、ニトロに求めているのはこんなものではなく。
これまでニトロの作品を手がけたことがない人がシナリオ担当だったみたいだから雰囲気が違うのは仕方のないことだろうけど、どうにも他のニトロのシナリオの中の人に比べれば力不足といったところかね。
世間ではアンリシナリオに救いがなさすぎるだの黒幕の動機がしょうもなさすぎるだの言われてるが、救いがないのは望むところだし、黒幕の動機にしたってそんじょそこらの少女漫画より北斗の拳の方が「愛」という単語が出ていることを考えると、まあいいんじゃないという気になるし、逆に壮大な理由より些細な理由の方が狂気が引き立っていいと思うが。
狂気を演出するのなら動機は極力些細な方が個人的には。
月島先輩とかそこら辺。
まあ、この作品にそこまで及ぶべくもなかったわけだが。
んで、個人的にどうかなぁと感じた点は、まず主に「人間→主人公」の二人称が統一されていないこと。
普段は姓で緊迫した時や感情が昂ぶった時は名で、とかならまあ分かるんだけど、状況説明のような特に抑揚のない会話の中で複数の二人称を使う意図が分からない。
なんというか、「営業時間 8:00 〜 よる9時(休日は二十時まで)」と書かれているようなもどかしさが。
統一なさいな。
あと、ずっと昏睡していたのに普通に動きすぎ。
リハビリも何もしないで普通に運動できるかい。
階段を上ったぐらいで息が切れる?
階段の上り下り以前に歩くだけで驚きだっつーの。
ファンタジー世界ならン百年の眠りや氷漬けから解放された直後に歌って踊りだしても気にしないが、曲がりなりにも現実世界がベースなのだからそこら辺はちゃんとして欲しかったね。
世の中には3年間昏睡した代償に頑張ってリハビリして復帰した人だっているんだから。
ぷんすか。
些細なことだけれども、個人的に最大萎えポイントだったね。
あとはそのルートではまだ出てきていない単語(etc.劇症化)を主人公が普通に使っていたり、誤字が多かったり、まあそんな感じ。
ストーリー展開自体盛り上がりに欠けるというのに、それを構成する要素に不備がいくつもあっちゃそりゃねぇ。
天使の正体が明かされた時はこりゃ新しいとは思ったが、それが魅力あるシナリオに繋がるかはまた別のお話。
扱っている素材自体はよかったと思うんだが。
シナリオが盛り上がらない煽りか、音楽もなんかイマイチだった。
個々の完成度は高いのかもしれないが、気に入る音楽がなかったので完成度なぞどうでもよし。
いつものニトロなら2、3曲は気に入る曲があるんだけどなぁ。


全体的に、ニトロじゃないぽっと出てのメーカーが作ったのならそれなりに好評価だったのかもしれないが、こちとらニトロだからと期待していたのだから、なんか裏切られたような感じ。
とりあえず、ムービーはよかったよ。
うん。
そこら辺はいつもニトロでした。