FF3DS

気になった点。


戦闘中のアイテムコマンドの使い勝手が悪い。
ポーションの類は当然として、使用すると効果を発揮する武器がある(しかも強い)ので、おのずと戦闘中のアイテムコマンドの使用頻度は高くなるのだが、
・一画面に表示できるアイテム数が少ない
・携帯できるアイテムの種類に上限がなくなったことに伴い、FC版に比べ所持しているアイテムが大幅に増えた
・使用可不可に関わらず全部表示されている
・LRボタンですっ飛ばせない
etc、様々な理由から、視認性と操作性が悪かった。
特にLRボタンによる早送りに関しては、10年以上前に発売されたSFCの作品の時点で既に実装されていた機能なのに、何故近作に付いていないのかが理解に苦しむ。
まあ、開発元の違いっていっちゃーそれまでだけど。


どのジョブがどのアイテムを装備できるのかが分かりづらい。
店でアイテムを選択した時、パーティー内に装備できるジョブのキャラは何らかのリアクションを返すが、キャラ数とジョブ数、どちらが多いかは考えるまでもなく。
所持アイテムに関しては、1人1人「装備」コマンドで装備できるか確認する必要があり、更に操作性が悪い。
該当のアイテムをダブルクリックした時に、装備できるジョブ一覧が表示できるなどして欲しかった。
これもSFCの時点で実装されてたよなあ。


魔法の全体化関係。
FC版では、パーティー内の3人にだけケアルかけるとか、敵8体のうち5体にだけファイアかけるとか、器用なことができたような気がする。
が、DS版では1体か全体かの択一。
それはそれで問題ないんだけれど、オリジナルが持っていた特長をなくしちゃいけないと思うんだ。


敵の左上の1234。
FC版には、どの味方がどの敵に攻撃を指定したか表示されており、常に確認することができた。
が、DS版ではなくなってしまっている。
なくなっていてもさほど問題はないとじゃ思うけれど、リメイク作品って「もうあまり必要性ないよね」とかそんな簡単な気持ちでオリジナルのシステムを削っちゃ駄目だと思うんだ。
「あー、FC版にこんなシステムあったあった。でも意味NEE」とか突っ込むのがいいじゃん。


ノーチラス。
こんな遅い船、俺知らない。
まあ、ポリゴンだから、あまりスクロールを早くしすぎると処理が間に合わなくて欠けてしまうとか、そういう技術的な問題がありそうなのは分かるけど。
FF7とかパラサイトイヴの移動速度とかを改造してプレイしていた時、よく黒い異空間にぶつかったり壁にめりこんだりしていたから、その辺りの難しさはなんとなく身を持って味わってるぜ。
んでも、それをいうなら、FC版でもノーチラスの速度を始めとして、端々に技術の限界を超えてそうな処理が多々見受けられたような。
天才プログラマとして名高いナーシャ・ジベリのおかげなんだっけ。
彼が手がけた作品で思い入れが深いのはFF3と聖剣2ぐらいだけど、どちらも当時のゲームの水準を考えると弾けてた気がする。
バグの奇天烈っぷりも天才的だったけど、それはそれで。


敵の同時出現数が減った。
FCが最高8体だったのに対し、DSは最高3体まで(特定のボス戦だけは4体)。
そのせいで敵の出現パターンのバリエーションが少なくなっており、刺激が足りない。
また、数が減った影響で、根本的に戦闘バランスが見直されているも、その調整がいまいち。
物理攻撃が強くなりすぎてたり(簡単にカンスト)、魔法攻撃が弱すぎたり(全体攻撃の有り難味が激減していて、更に威力が据え置き)。
敵が多ければ多いほどいいってわけではないけれど、オリジナルより劣化するのはよくないよね。


バランス。
良く言えば、整った。
悪く言えば、ぬるくなった。
序盤に関してはFC版より強くなっているボスもいる(メドゥーサとかサラマンダーとか)が、基本的に簡単になっている。
特に暗黒の洞窟の分裂モンスターには、FCでは相当苦労させられた記憶があったのだが、DSではまったくそういうことはなく。
物理攻撃のダメージが弾けているが故に主力の攻撃一発で倒せるので、魔剣士を入れる必要がまったくない。
そういや、ファルガバードに行ってすらいねえ。
どこにあったっけあの村。
本当に隠れ里のまま終わってしまった。
賛否両論はあるだろうれど、FCの「竜騎士使わないとガルーダ乙」「魔剣士いないと8体まで増えてどうしようもないよ」という、戦法を強制させられるようなとんがったバランスは、個人的には好きだっただけに、DSの「どのジョブでも何とかなります」というバランスはいまいち好きになれない。
メリハリがないというかなんというか。
初期ジョブの「戦白赤シ」って面子でも、十二分にクリアできた気がする。
というか、熟練度の重要性が増している&ジョブチェンジ後の弱体化期間の関係から、むしろ本当に必要な時以外はジョブチェンジせずに初期ジョブで行った方が楽なんじゃないだろうか。
なんだかなー。
どういじっても各ジョブ間にFF5並の個性は出せなかった(そこまでいじったらもはやFF3じゃない)だろうけど、それでももっといいやり方はあったと思うんだ。


ボス。
ブレイクばっか使ってきてお茶の間の苦笑を誘ったメドゥーサも、かみなり一択だったガルーダも、はどうほう一択だったくらやみのくもも、皆攻撃パターンが増えました。
FCではボスによって攻撃パターンや強さの差が極端すぎた気もするけれど、それはそれで個性だった。
でも、DSのボスの印象は、なんというか「通常攻撃+ラ系魔法orガ系魔法+特殊攻撃」って感じ。
実際はそこまで型にはハマってないと思うけど、なんかテンプレ化されちゃったイメージが。
学者がいなくても倒せるハインなんて知らない。
1撃で前列すら殺すことのできない2ヘッドドラゴンなんて知らない。
バックアタックメテオを使ってこないザンデクローンなんて知らない。


音楽。
全体的に良アレンジ。
賛否が分かれそうなアレンジもあったけれど、それは好みの問題なので、レベルとしては十分に満足。
当時じろーさんにSFC版イースのトンキンアレンジっぷりを叩き込まれていたから、ちょいと不安だったけれど、杞憂過ぎたようだ。


グラフィック。
FC版の雰囲気を残したままのポリゴン化という素晴らしい仕事。
モンスターは本当にFC版の雰囲気をそのまま残しているので、まだ雑魚モンスターだった時代のカーバンクルやらカトブレパスを見ると、なんかこう胸にぐっと来るものが。
最初は隠し通路をどう表現するんだろうと思っていたけれど、視点変更できないことを上手く利用していた感じ。
壁(というか天井か?)の色で分かるのはFC版同様なので、注意深く見ていれば余裕。


草むらに隠されているアイテムに関しては、ちょいと見つけづらくなっていた。
見た目で分からないのは両方共通。
実際に草むらに立ち入ってみて、進めないところにアイテムが落ちているというのも共通。
ただ、FC版はあからさまにマスに進めないので一発で分かるが、DS版は進めない理由が地形のせいかアイテムのせいかがいまいち分からず、結果としてAボタンを連射しながら歩き回る羽目になってしまうという違いがある。
や、まあ、いいんだけどね。


キャラ毎&ジョブ毎にグラフィックが違うのはいいと思った。
ちゃんとキャラとジョブの個性を表しており、中には「こんな可愛い子がry」というのもあったりなかったり。
男勢の中で1人だけ猫耳が生える辺り、狙ってたんですかに。
まあ、ほとんどジョブチェンジを行わなかったし、グラフィックを見るためだけにジョブチェンジしまくるということもしなかったので、あまり堪能できなかったような気がするけれども。


戦闘中の「××回ヒット」はよく表現できていたと思う。
レベルが上がって攻撃回数が増えてくると、腕の振りと実際のヒット数が一致しなくなってくる(5回しか振ってないのに9回ヒットしたり)が、それはまあいいと思う。
FC版の頃から、円月輪の「××回ヒット!」はおかしいと思っていたんだから、何を今更って感じ。
あれだ、真空波動拳の原理だ。
1つの弾に見えて、実は5つ重なっていたんだよ!(な、なんry)
まあ、「ちょ、おま、殴りすぎ」って感じに本当にその回数分攻撃していたFC版を表現して欲しくもあったけどね。
戦闘時間が延びるだけだし、我慢我慢。


3D化されたことに関しては賛否両論あるみたいだけど、個人的には問題なし。
むしろ好感触。
だけれども、3D化した弊害がモンスター同時出現数3体という結果なら、そんな3D化は要らなかった。




大体そんな感じ。
なんか酷評しているような気がしないでもないけれど、「FF3」としてではなく「1つのRPG」として見れば、十二分に楽しめた。
やっぱFC版の思い入れの深さは段違い(最初にやったFFだし)だから、どうしても辛口になるのは致し方ない。
まあ、FF4には特別な思い入れがないので、DS版は純粋に楽しめる気がする。
四天王の登場順が変わっていたり(カインがいない状態でバルバリシアと闘うらしい)、た5がなくなっていたり(当たり前)と、どれだけ変化していることやら。
楽しみ。