あやかしびと

操作性

セーブロードに関する不満はなし。
さほど選択肢は多くないし(共通部分で5つ、ルート確定後に5つぐらい?)、使わなかったがクイックセーブ&ロードもある。
セーブできる数も多く、セーブ画面←→ロード画面間の移動もスムーズ。


スキップ関係はちょっと。
既読スキップはアイコンクリックによりスムーズに切り替えることができるが、速度が遅い。
遅くても遅いなりの振る舞いをしてくれればいいのだが、バックグラウンドで動作しないゲームなので、スキップしている間にサイト巡回をして暇を潰しても1文字たりとも進んでくれない困り者。
また、強制スキップがEnterまたは左クリック押しっぱなしという悪い意味で斬新な操作になっており、更に微妙に敏感に反応してしまうので、普通に読み進めている時に少しでも気を抜けば強制スキップが発動してバックログで戻る羽目になったりと、いまいち。
厄介なことに画面が演出で止まっている間にEnterの先行入力を受け付けているようで、演出中にEnterを押してしまうと、演出終了後に表示されるメッセージが即座に送られてしまうという悲劇を生み出すことも。
だが、受け付けている先行入力は1度だけっぽいので、タンデムのような怒涛の連続攻撃は成立しない。
残念。


選んだ選択肢により、ストーリーの大筋には関係ないがメッセージが微妙に変化するケースの場合、それは全く別のメッセージと認識されているようで、差異は1言2言しかないのに既読スキップすることができずに100言200言聞かされてしまう。
まあ、それは他の大部分のゲームでも似たようなことが言えるけれど、そこら辺CLANNADはしっかり管理されていたな。
あの膨大なメッセージをよくもまあ。
言い換えれば、そこまでしっかり管理しなければ破綻していたんだろうな。


パッチを当てていない状態だと随所に入るアイキャッチをスキップすることができずに苛々させてくれたが、それは最新パッチを当てると解消されるのでまあ問題なし。
ただ、何を当てようとスタッフロールを飛ばせないのはマイナス。
ほとんど変わり映えのしないものを何回も見せられても。


ストーリー

要約すれば、妖怪を祖に持つ主人公が一派が、同じく妖怪を祖に持つ(あるいは妖怪そのもの)悪者一派をドカバキグシャとやっつけるお話。
共通ルートは少なく(序盤の共通部分は長目だが選択肢がないので2周目以降は見る必要なし)、シナリオによってキャラの立ち位置が大きく変わる(敵役含む)ので、AシナリオではパッとしなかったキャラがBシナリオでは主役級の活躍を見せてくれたり、Aシナリオで敵だったキャラがCシナリオでは味方になったり、その逆もあったりと。
キャラの描写が上手く、また、上記のおかげで大抵見せ場が1つはあるおかげか、どのキャラもしっかりと立っていたのはかなり好感触。
特に時折見せるすずの黒さは大好き。
メインヒロインとは思えぬ邪悪さ大爆発な言動に、お兄さんタジタジですよ。


物語の舞台は概ね現実と同じだが、唯一かつ最大の相違点は妖怪が実在すること。
それも、ゲーム開始当初は妖怪という言葉は出てこずに病気の一種として扱われていたので、世界観としてはロミオ作品の匂いをほのかに感じていたり。
†とかイマとかそこら辺の。
こう、日常の中に見え隠れする非日常というか。
とはいえ、後半は妖怪大戦争になるので、そのような感想は大型地雷を踏んだ直後にイッテツに集中砲火を食らうような勢いで木っ端微塵に吹っ飛びました。
どこかで和風Fateという表現を見たような記憶があるけど、最終的な印象としては確かにそんな感じ。
まあ、登場人物を比較すると「英雄」と「妖怪」になってしまうので、聞こえや見栄えのよさは気にしちゃいけない。
クーフーリンVSぬっぺふほふ」なんて、勝負する前に全てが終わってますからー。


コンプした後に巡回して初めて気づいたというか知ったのだが、絵師って沙耶の人だったのね。
言われてみて超納得。
絵柄は特に変わっていないのに、どうして自力で気づかなかったのだろうか。
謎だ。
そんなわけで、どの絵も安定してレベル高し。
刀子の疾走→大ジャンプ→車ぶった斬りのシーンは熱かったね。
やはりポン刀使いにとって走行している車両を斬るのは基本スキルなんだろうか。


賛否両論の多い(主に否)最終決戦のムービーだけど、うん、どうなんだろうね。
自分はとりあえず中立派で。
ムービーといってもド派手なアニメや3D動画が流れるわけではなく、ただ単に画面が揺れたりちょこっとエフェクトがかかりながらメッセージがオートで進んでいくだけの、普通のノベルシーンに毛が生えた程度のもの。
文章がオートで進んでいく早さがなかなかに早く、読み終える前にドンドン進んで行ってしまい「ああー」となるのは、もはや紳士の嗜み。
優雅にダージリンティーを飲みながら、どんどん進んでいくメッセージを尻目に「ムッシュシルププレ」などとのたまえば100点満点。
これで君も一人前の英国紳士だ。
1周目が終わった時点で修正パッチを入れてプレイしたから自分は体験できなかったのだが、修正パッチの修正履歴に「最終決戦の動画が再生されないことがあるのを修正しました」との記述を発見した時は失笑しました。
並居る強豪(バータ)をぶっち切るスピードだけでなく、サドゥン+ヒドゥンモード(スケさん)を搭載していたなんて。
恐ろしい子


音楽

どの曲も安定してレベルが高かったが、特に飛びぬけたものはなかったような。
熱い曲はそれなりに熱いのだが、でもまあそれなりで。
OP&EDテーマが特にヒットしなかったは大きかったかな。


総評

上の中。
安定して人に薦めることができる良作。
追加要素アリでPS2に移植されるんだっけか。
順当な流れですな。