オチがない

新聞に載っていた津波被害者の「家族も家も全て失ってしまった。写真も残ってないので顔を忘れるのが怖い」という声を見て、「本当の死は、生命を失うことではなく人々の記憶から忘れ去られてしまうことだ」という感じの言葉を思い出した。
誰の言葉か忘れたし、ぐぐっても数件しかヒットしなかったので覚え違いの可能性もあるけれど、初めて見た時は感心したものだ。
「パパはお空のお星さまになってしまったのよ」「僕の心の中に今も生き続けている」とかってのはよく聞く台詞だけれど、どちらも記憶から失わないようにするための暗示だと思えば、なるほど、確かにその意味では死んではいないことになる。
ONEはそのような意味の死をテーマにした作品ともいえるのだろうが、それはさておき。
心の中に生き続けさせることさえ困難にした此度の災害は、死傷者の数字以上に大きなものだと感じた。